茶功アカデミー

旅行中のお茶セット

ちょっとした週末の旅行でも、お茶の時間は大切にしたい。旅行先にどんなお茶セットを持っていくか、どうやってお茶の時間をつくるか。悩んだことはありませんか。

私は買い付けや新規開拓の所用で、東南アジアの都市や山岳地にショートトリップすることが多いのですが、このことについて長年考え続けてきました。現時点での私なりのお勧めをご紹介します。

最小限にする

まず大事なのは、なるべく最小限のアイテムにすることです。現地の雰囲気や設備を頭の中で想像し、その中でやりくりできる最小限のお茶セットを考える。ここに最も神経を使います。

最小限のセットで行って、現地で足りなければ買い足す。もしくは諦める。この心構えが大事だと考えています。

今どきはビジネスホテルにしても、ホステルやゲストハウスにしても、最低限の食器は備わっているものです。これを駆使して、なんとか理想のお茶をつくることを考える。このプロセスが面白いのです。

そして決定的に大事なのが、現地の水事情です。

アジアで水道水をひねってお湯を沸かしただけでは、おいしいお茶はまず作れません。都市であれば、コンビニかスーパーでミネラルウォーターを買う必要があります。

ではどんな水がよいのか。講座では、水の硬度が味をどう変えるかを扱っています。硬水はカテキンと結びついて渋みを抑え、まろやかにする。軟水はその変化が少なく、茶葉本来のシャープで繊細な風味が出る。

そこから私なりに整理すると、不発酵茶なら軟水、発酵茶なら好みに合わせて軟水でも硬水でも、というところに落ち着きます。

最近は pH が 9 を超えるような、極端にアルカリ性の高い水も売られています。これは避けましょう。お茶を淹れるための水というより、アルカリ性の高さそのものを健康効果として売っている製品だからです。

講座が扱っているのは、ミネラルウォーターがもともと持っている弱いアルカリ性のほうで、それとは別のものだと思ってください。水出しの用途であれば、悪くないと思います。

茶器は、冒頭に申し上げたとおり旅先の備えにある程度頼ってよいと思いますが、最低限の条件を述べておきます。

基本的には、湯冷ましとお茶杯の、二つの器があれば十分です。コップでなくても、お椀のようなものでも構いません。熱いお湯を注ぐので、耐熱性であることはあらかじめしっかり確認しておきましょう。

理想は、一方の器にお湯を注いだときに、もう一方で蓋ができること。なければ、適当な別の器で覆うか、諦めます。

また個人的な意見ですが、BPA など人体への有害性が報告されている素材のものは避けるべきだと思います。

土台

水、器と来て、次は土台です。

土台といっても、がっしりしたテーブルクロスのようなものでなくて構いません。日本で手軽に手に入るものといえば、やはり懐紙でしょう。

懐紙を敷いて器を置けば、鋭い音が立たないし、水気もある程度吸ってくれます。一度使い終わった茶葉を置いておくこともできるし、茶器を拭くこともできる。

意外なほど旅先で活躍するので、ぜひ懐紙をご持参ください。

茶葉

最後に、一番大事なもの。茶葉です。

旅先のスーパーや茶葉店でよいお茶葉が手に入れば、それに越したことはありません。ただやはり、ご自身の茶葉を持っていくことがほとんどでしょう。

旅の移動中は衝撃、湿気、化学的な匂いの元など、多くのリスクがあります。お茶缶のような頑丈で、比較的軽量なケースに密封するのが無難です。

固形状に成形された茶葉 ── 生プーアル茶や老白茶などを選ぶのも一手です。

そもそも、どんな環境にどんな茶葉が合うのか分からないということであれば、あなたのための一杯でご自身に合うお茶葉をお探しください。

あなたにとっての旅用お茶セットのお勧めや、ちょっとした工夫があれば、ぜひ教えてください。